「君の瞳に恋してる」と「ディア・ハンター」

「君の瞳に恋してる（Can't Take My Eyes Off You）」は、映画『ディア・ハンター』のなかで使われた、ぼくにとって印象深い、心に残る曲です。

 マイケル・チミノ監督のアメリカ映画『ディア・ハンター』（1978）。
ロバート・デ・ニーロ、クリストファー・ウォーケン、ジョン・サヴェージ、メリル・ストリープなどの名優が出演。
日本公開は1979年なので、ぼくは19歳のときに映画館で観ています。

 1960年代後半、アメリカの田舎に暮らす仲の良い若者たちが、戦争の地獄、悪夢のような世界を体験し、傷ついて帰ってくる。

 この映画の中で、「君の瞳に恋してる（Can't Take My Eyes Off You）」が、効果的に使われています。
素晴らしい青春の高揚感を象徴するこの曲と、対照的な地獄、悪夢のような戦争体験。

 映画の中で使われている「君の瞳に恋してる」は、フォーシーズンズのフランキー・ヴァリがソロで1967年にヒットさせたオリジナル曲。
日本では、サンフランシスコのゲイカルチャーから出てきたボーイズ・タウン・ギャングの「君の瞳に恋してる」（1982年）がディスコ曲として大ヒットし、ＣＭなどにもよく使われスタンダード・ナンバーとして知られていると思います。
ゲイ・ソングとしても、ディスコとしても、クラシカルなダンス・ミュージックの中でトップクラスのスタンダードな超名曲。

今から15年ほど前、東京のクラブにちょくちょく行っていた時、ディスコやダンス・クラシック系のイベントでは必ずこの曲が掛かり、僕自身も再発見し、感動的でした。
このころ、90年代に掛かっていたのはグロリア・ゲイナーがカバーしたバージョンだったかも。

 いつ聴いても、胸を締め付けるような感傷と涙があふれてくるような高揚感があります。

フランキー・ヴァリ　Frankie Valli「君の瞳に恋してる（Can't Take My Eyes Off You）」


ボーイズ・タウン・ギャング「君の瞳に恋してる（Can't Take My Eyes Off You）」


グロリア・ゲイナー「君の瞳に恋してる（Can't Take My Eyes Off You）」


映画「ディア・ハンター」